サングラスのレンズについて

こんにちは。

 

前回のガラスについてから、今回はサングラス(またそのレンズ)の歴史についてのお話を少し。

 

サングラスの起源は定かではありませんが、北極圏で生活するエスキモーが木の板やアザラシの皮などに細い切れ目を入れて使っていた物がサングラスの原型と言われています。

 

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この土偶の目みたいなやつがそうらしいです。

 

ローマ帝国や昔の中国などでもエメラルドや水晶などの結晶をレンズに使用したサングラスの様な物が使われていたと言われています。

 

16世紀には眼鏡に色付きのレンズを入れた「色メガネ」が登場してきたようです。まだこのころは「紫外線を・・」「透過率が・・」という様な光学的にレベルの高い物では無かったようですが。

 

その後、1903年ライト兄弟の有人飛行から飛行機が発達した事で、1920年代には軍用・民用で飛行機の利用が活発になりました。

しかし、地上より過酷な上空の環境で身体の不調を訴えるパイロットが続出し、1920年代初めに米国陸軍航空隊が米BAUSCH&LOMB社にパイロットの眼を保護するアイウエアの開発を依頼したのが現代的なサングラスが登場するきっかけといえるでしょう。

 

BAUSCH&LOMB社が開発に6年の歳月をかけて1929年に誕生したのが、「アンチグレア・レンズ・アイウエア」という緑色のレンズです。

 

太陽光を含め、光というのは七色の虹からも分かるように、「赤・橙・黄・緑・青・藍・紫」という7色に分類出来ます。

そして、人間の眼(網膜)というのは実は全ての色を均等な強さで感じる訳ではなく、緑色を一番強く感じる様に出来ております。

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人間の色の感じ方をグラフにしたもの

 

先ほどのグリーンのレンズというのは、各波長の透過率を横軸にグラフに表すと、上記の「標準分光視感効率」と同じ波形をしているのです。

つまり「ヒトの網膜と同じ特性を持ったレンズ」といえるでしょう。

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90年前の物ではありませんが、BAUSCH&LOMB社のレンズです。

色ガラスを作っている立場から言うのもどうかと思いますが、個人的にはおよそ90年前に開発されたこのレンズを超えるサングラスレンズは未だに無いと思っておりまして、究極のレンズだと思います。

 

THINGLASSのラインナップにもこれと同じカラーのレンズも使用しておりますが、この様に本来のサングラスレンズというのは見た目の観点から色を考えたのではなく、使用環境や用途に応じたレンズの透過率波形を考え、その結果としてのレンズカラーに過ぎないのです。